UDチェック
UD CHECKあなたが制作している印刷物、Web、動画が高齢者や障害者に分かりやすいものなのか?
各質問に「はい」「いいえ」で答えて、自己チェックしてみましょう。
×だった人は解説を読んで、高齢者や障害者への配慮を工夫しましょう。
印刷物のUDチェック
- 印刷チェック1: 文字サイズは高齢者にとって最適ですか?
はい :〇
いいえ :× 下記を読んで改善しましょう。
日本では老眼・白内障は約5,000万人と言われているので、文字の大きさや書体の配慮が必要です。文字の大きさ⇒産業技術総合研究所の「高齢者・障害者の感覚特性データベース」では最適な文字サイズが計測できます。55歳の方が明るい室内で読む場合、ゴシックフォントで最少可読文字サイズは12ptです。本文は最低でも10.5pt以上を確保しましょう。
文字の書体⇒明朝体は縦の線が細く、視認性が低くなることがあります。縦横の線が均等なゴシックフォントを使用することで視認性が向上します。視認性、可読性が高い「UDフォント」も有効です。
※参考:産業技術総合研究所データベース/可読文字サイズ
- 印刷チェック2: 色使いは高齢者にとって見やすいですか?
はい:〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
高齢になると白内障や緑内障を発症し、ぼやけて見えたり、視界が狭くなったりします。
また、色が見分けにくい方(色弱者)は、日本に320万人以上、特に男性の20人に1人と言われています。文字や線に色を付ける場合は、太くしたり、白いフチを付けるなどの工夫が必要です。
※参考:東京都カラーユニバーサルデザインガイドライン
自分でチェックする方法として白黒コピーが有効です。コントラスト(白黒)比は70%以上を推奨します。
ブライトUDレポート:10秒で誰でもできる、”見やすい色使い”チェックも参考にしてください
- 印刷チェック3: 高齢者が無理なく読める文章量ですか?
はい:〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
文章を理解する認知能力はどの年齢層でも大きな個人差がありますが、高齢になるにつれて能力が低下していきます。そこで文章だけではなく、図を追加したり、広く認識されている絵記号を使用したりすると、理解を助ける効果があります。
また、イラストや写真、図を挿入する際には説明文(キャプション)を補足することで理解を助け、誤った解釈を防ぐことができます。
絵記号例6点:1.障害者用設備2.陸上競技場3.新聞・雑誌4.一般注意5.静かに6.非常口
※参考:交通エコロジー・モビリティ財団「標準案内用図記号」
- 印刷チェック4: 文章の内容は高齢者に分かりやすいですか?
はい:〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
どの年代でもあまり馴染みのない内容だと「自分には関係ない」と思い込み、興味を持って読み進めるのは難しいと言えます。
例えば、新しい制度の説明を「制度は・・・」と説明すると分かりづらい場合があります。特に高齢者の場合は「高齢者目線」で自分ゴトとして説明すると理解力が向上します。
×分かりづらい文章例:
ADR制度は、「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとって「ADR」です。日本語では、代替的紛争解決手続、裁判外紛争解決手続と訳されます。◯分かりやすい文章例:
あなたがトラブルにあった場合、裁判を行わずに解決することができる「ADR」という国の制度があります。中立・公正な第三者が、低コスト、短納期で解決を目指すので安心です。
- 印刷チェック5: 印刷物以外に情報を伝える方法はありますか?
はい:〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
人が情報を得るのは視覚からが8割以上と言われますが、高齢者は視力が低下し、白内障、緑内障の発症リスクも高くなります。また、日本の視覚障害者は30万人以上で印刷物がバリアになる人が多くいます。
そこで視覚だけに頼らず聴覚や触覚で伝える、印刷物以外のデータ提供が望まれています。
印刷物以外のデータ例:
点字、大活字版、音声テキスト、録音図書、読み上げ機能対応ホームページなど
- 印刷チェック6: 高齢者や障害者の意見を聞きましたか?
はい:〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
情報を伝える側は「役立つ情報だから」「情報は正しく詳細に」と言って多くの情報を伝えがちです。しかし高齢になると情報を処理する能力が低下するため、読むのを諦めてしまう事があります。
生命保険の冊子を高齢者に読んでもらった時「保険商品の説明ではなく私たちの暮らしに役立つのか知りたい」「仕組み図というのは、何度説明されても難解だ」など多くの意見があがりました。
これらの意見を反映させて改善していくことで高齢者に分かりやすい印刷物となるのです。
また、障害者権利条約第4条では「障害者に関わることを決めるときは、障害者とよく相談する」とされています。
ブライト事例:障害者の意見を聞き一緒に作成した「成田空港ヘルプストラップ」
Web・動画のUDチェック
- Webチェック1: 画像には代替テキスト(音声データ)がありますか?
1はい :〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
視覚障害者は、Webを音声読み上げソフトで聞いています。画像やイラストを音声で読み上げるには、代替テキストを入れる必要があります。また代替テキストは、写真の様子まで把握できることが大切です。
上記写真の代替テキスト:
×悪い例:「トップページの写真」
○良い例:「写真:ブライト社員5人と高齢者モニター4人が会議室で微笑んでいる様子」
- Webチェック2: キーボードだけで、すべての操作ができますか?
はい :〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
全盲や弱視、肢体不自由の方は、マウスを使わずにキーボードだけで操作する方が多くいます。ページの移動やフォームの入力など、キーボードだけですべての操作ができるように修正しましょう。
- Webチェック3: アクセシビリティ(JIS X 8341-3:2016 )に配慮していますか?
はい :〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
JIS X 8341-3:2016の正式名称は『高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ』です。高齢者や障害のある人を含む全ての利用者が、使用している端末、ウェブブラウザ、支援技術などに関係なく、ウェブコンテンツを利用することができるようにすることを目的とした指針なので、項目をチェックしていくだけでアクセシビリティが向上します。
- 動画チェック1: 動画を音声だけで伝えていませんか?
いいえ:〇
はい:× 下記を読んで改善しましょう。
音声だけで伝えている映像は、聴覚に障害のある方や、音の出せない環境では理解できません。音声をテキストに書き起こしたり、映像に字幕を付けたりするなどの工夫が求められています。
- 動画チェック2: 複数の言語で伝えていますか?
はい:〇
いいえ:× 下記を読んで改善しましょう。
より多くの人に動画を視聴してもらえるよう、多言語展開を考慮しましょう。特に、聴覚に障害のある方の中には、第一言語が「手話」のため、日本語が苦手な方が多くいます。
「手話」も外国語のひとつとして捉え、障害の有無にかかわらず等しく情報提供ができるよう、できるだけ「手話」も導入しましょう。