障害について知る 2020年8月25日

「要望ではなく事実を伝えることの大切さ」弱視である芳賀さんのラジオから学ぶ

ブライトも大変お世話になっている芳賀優子さんがゲストとして参加されたYouTubeのチャンネルが公開されました。

さすがラジオの番組司会を務められていたこともあってあっという間に引き込まれる語り口。特に興味深かったお話を2点ピックアップさせていただきました。

 

▼ジェダイクラブ『第2回 みかちゃんめぐちゃんポジティブ人生観』
https://youtu.be/mrJjlUzkPbo

 

芳賀優子さんの写真 <予備情報>
芳賀さんについて:ヤマト運輸に20数年勤務ののちNHKラジオの視覚障害者のための番組司会などを務め、現在は共用品推進機構の個人賛助会員として勤務。先天性の弱視でもあり、海外旅行とワイン、寄席を愛している方です。共用品推進機構について:
身体的な特性や障害にかかわりなく、より多くの人々が共に利用しやすい製品・施設・サービスである“共用品(広辞苑 第7版にも掲載)”の普及を推進している団体。

 

1.シャンプーの刻みに隠された、開発企業の思い
→再生時間12:04より

シャンプーのボトルには、触っただけでリンスと区別できるよう側面にギザギザの刻みが入っています。これによって視覚障害者だけでなく、目をつぶって髪を洗う誰にとっても区別ができるようになりました。

ここでポイントとなったのは、開発した企業が“特許を取得し独占する”ことをせず「よかったら他の企業も活用してください」と開発のプロセスまでオープンにしたことでした。これにより、今ではその1社に限らず、業界標準としてどのシャンプーのボトルにも刻みがつけられるまでに浸透したとのことです。

シャンプー、リンスのボトルの比較画像。シャンプーには側面に刻みがある

花王株式会社サイトより


2.“要望”ではなく“事実”を伝えることで企業に届いた声

→再生時間15:04より

上記の件に影響を受けた芳賀さんは、企業に対し希望や要望を伝えるのではなく「普段私はこのように商品を使っています、こう感じています」という事実を淡々とレポートとして提出する、という活動をはじめます。それにより実際に声が届き、企業の商品開発に反映されるという経験が増えたそうです。


我々の学び

「要望を一方的に伝えるのではなく、事実をしっかりと伝える」という姿勢は、これまで芳賀さんとご一緒した会議での発言からも思い起こされますし、とても大切な心がけだなとブライトでも話し合いました。

相手に感情任せのクレームを入れることは簡単です。ですが、相手を思い事実と意見を交わし、混ざり合っていくことで初めてお互いを高めていけるのだと強く感じた30分でした。

ラジオは上記で紹介した以外にも芳賀さんがスペイン語習得を志すきっかけとなったスペイン人講師の話、「宇宙人に自分を説明するとしたら?」という話など楽しくも気づきのある内容が盛りだくさん。是非ぜひご視聴ください。

https://youtu.be/mrJjlUzkPbo

執筆者:南條 投稿者:南條 岳
株式会社ブライト 企画課課長 ユニバーサルデザインコーディネーター。
埼玉に生まれ、東京、大阪、福岡、京都、神奈川などで幼少期を過ごす。子ども写真スタジオでのカメラマンを経て2013年ブライトへ入社。外部でライター、イラストレーターとしても活動し、「わかりやすい編集」を得意とする。『高校生クイズ』が好き。