SDGsの取り組み 2022年3月7日

“人生100年時代における健康寿命の延伸”生命保険協会SDGsシンポジウムに参加

生命保険協会は、業界全体のSDGs達成に向けた取組みを推進する一環として「生命保険協会 SDGsシンポジウム」を開催しました。

 

“人生100年時代における健康寿命の延伸”と”サステナブルファイナンス” がテーマで、YouTubeチャンネルでライブ配信。大変興味深い内容でしたので、その一部をご紹介します。

※詳細は、特設サイトをご参照ください。https://seiho-sdgs-symposium.jp/

 

イメージ画像:草原にハート形の雲

 

■SDGs達成のための身体活動・運動

早稲田大学 スポーツ科学学術院 教授の宮地氏は、厚生労働省の「アクティブガイド」や「健康日本21(第2次)」の策定等に携わっており、スポーツとSDGsの関係性、運動不足のリスク、身体活動に関するガイドラインなどについて基調講演を行いました。

 

SDGsアイコン1貧困をなくそう SDGsアイコン3すべての人に健康と福祉を SDGsアイコン4質の高い教育をみんなに SDGsアイコン16平和と公正をすべての人に

 

スポーツは、SDGsの17項目それぞれの達成に向けた役割を果たしていますが、中でも目標1「貧困をなくそう」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標4「質の高い教育をみんなに」、目標16「平和と公正をすべての人に」の4つの目標に貢献しています。

 

画像:野球ユニフォームで考え込む馬場

 

お話の中で印象的だったのは、「運動不足」は、日本人の死亡の3番めのリスクということ!
コロナ禍で運動不足を感じていた私にとってドキっとしました。

 

そこで、運動不足を解消するために、厚生労働省が「アクティブガイド」を提供。

今より10分多く体を動かすだけで健康寿命をのばすことができ死亡のリスクを2.8%」「生活習慣病発症を3.6%」「ガン発症を3.2%」低下させることが示唆されています。

 

プラス10から始めよう

 

また、WHO(世界保健機関)が、2020年11月に「身体活動・座位行動の新ガイドライン」を公表。少なくとも、成人では週に150~300分の中強度の有酸素性運動が推奨されています。

 

表紙:WHO身体活動・座位行動ガイドライン

 

画期的な目標として、「座りっぱなしの時間を減らすべき」と示されています。

日本は世界でもっとも座っている時間が長い国民、という調査結果があるそうで、リモートワークで座っている時間が長くなっている今、自分を含め、見直していく大切なポイントを教えていただきました。

 

 

■人生100年時代を元気で乗り切るために-健康長寿 鍵は“フレイル予防”-

続いて、東京大学 高齢社会総合研究機構機構長で、フレイル(虚弱)予防の第一人者と言われている飯島氏から、人生100年時代を生き抜くための基調講演をいただきました。

「フレイル」という言葉をご存知ですか?

 

イメージ画像:痛そうに膝をさする高齢女性

 

フレイルは、加齢により体力や気力が弱まっている状態のことで、2014年に日本老年医学界から提唱された言葉です。健康と要介護の中間的な状態で、年をとっても機能を元に戻せる時期です。

フレイルを予防するには、3つの柱があります。

1.栄養、2.身体活動、3.社会参加

 

イメージ画像:栄養バランスの良い食卓

 

3つとも大切な視点ですが、特に「人とのつながり」が重要だといいます。

49,000人以上の自立高齢者に、運動習慣、文化活動、地域活動を行っているかを○×で調査したところ、3つとも○のグループのフレイルリスクを1とすると、3つとも×のグリープはフレイルリスクが約16倍にもなるそう。

 

イメージ画像:シニア同窓会

 

もう2,000歩多く歩くよりも、誰と歩くのか? 運動はやっていなくても地域活動などで人とつながることで、結果的に活動的になるとの提言がありました。

最後に、健康を「健幸」にするため、個人の行動を変えるアプローチと、地域社会の環境づくりを産官学民で取り組む必要性のお話があり、とても共感できる講演でした。

 

 

■生命保険業界における取組み

パネルディスカッションでは、生命保険協会 副会長の金井氏より、生命保険業界の紹介や、SDGsに取り組む全体像のお話がありました。生命保険事業は、保険の引受、資産運用事業の両面からみてSDGsの理念「誰一人取り残さない」につながっています。

生命保険協会では、金融リテラシーの推進、高齢者への対応、健康寿命延伸に向けた取り組みなど、重点的に取り組む8つの項目を選定し、業界全体としてSDGs達成に向けた体制を構築しているそうです。

 

SDGsアイコン1貧困をなくそう SDGsアイコン3すべての人に健康と福祉を SDGsアイコン4質の高い教育をみんなに SDGsアイコン5ジェンダー平等を実現しよう
SDGsアイコン8働きがいも経済成長も SDGsアイコン9産業と技術革新の基盤をつくろう SDGsアイコン10人や国の不平等をなくそう SDGsアイコン16平和と公正をすべての人に

 

私は生命保険を契約していますが、あまりSDGsと関連して考えたことがなかったため、新鮮なお話しが続きました。生命保険は、いざというときの保障だけではなく、契約者の健康を維持・増進する取り組みが多く行われています。

 

イメージ画像:ウォーキングする男女

 

生命保険協会では、2014年から自治体が行うウオーキングイベントなどに協賛し、延べ15万人以上が参加。ブライトでも、イベントの告知フライヤーや当日配布するノベルティ制作などをお手伝いさせていただきました。

 

また、2040年には、65歳の4人にひとりが認知症になる可能性があると言われているため、生命保険協会では、2021年7月から「生命保険契約照会制度」が創設されました。認知症によって本人や家族が保険契約を把握できない場合、協会に契約の有無などを確認してもらえる制度です。

ポスター:生命保険契約照会制度

ブライトでは、制度を周知するためのポスターデザイン・制作・発送を担当。
この制度が発足してから、1カ月の間に約300件程度の利用があるそうです。今後ますます必要な制度だと思うので、広く普及啓発を推進していこうと思いました。

※参考:知っておきたい認知症への備えー7月1日から新制度始まる

 

さらに、2021年2月に発行された認知症対策のための情報冊子「家族と備える認知症」の紹介がありました。

家族と備える認知用冊子:表紙、本文

認知症に対して家族の間でどのように備えられるのか、認知症に備えるにあたって活用できる制度・仕組み等についての冊子で、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標4「質の高い教育をみんなに」などへ大きく貢献しています。

私は、冊子の編集やデザインを担当したのですが、高齢者や障害者にも分かりやすい情報提供となるよう、様々な工夫を行いました。

※詳しくは実績ページをご参照ください。

 

このように、生命保険の業界では、人生100年時代を支えるための活動やSDGsへの貢献がなされていることが分かり、とても勉強になりました。

生命保険業界のSDGs活動には共感できることが多いので、ブライトでも微力ながら普及啓発面でのお手伝いを継続できればと思います。

 

投稿者:馬場耕一朗

多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒。学生時代、D.A.ノーマン「誰のためのデザイン?」に打たれ、利用者視点のデザインを志す。「馬場に頼んでよかった」と思ってもらえる関係性が築けるよう、額や脳に汗かき、何事も楽しみ、コミュニケーションを大切に仕事をする。