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ユニバーサルデザイン

2026.05.25 月

『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』にマルチメディアデイジーが掲載:パート2

ポプラ社の『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』は、小中学生を主な対象とした学習図鑑です。

大変光栄なことに、ブライトが制作した「マルチメディアデイジー」が掲載されました。数ある制作会社の中で、なぜブライトが選ばれたのか?マルチメディアデイジーは子どもたちにとって、どんな役割を果たしているのか?など制作秘話も交えてご紹介していきます。

◆ポプラ社の図鑑にブライトが掲載されました!

「ユニバーサルデザイン」とは、年齢や性別、国籍、障害の有無などにかかわらずより多くの人にとってわかりやすく使いやすい設計のことであり、それを紹介するこの図鑑自体もユニバーサルデザインを意識して制作されています。

>>>『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』にマルチメディアデイジーが掲載:パート1もぜひご覧ください

たとえば、図鑑の漢字には難しいものはあまり使用されておらず、漢字には全て振り仮名がつけられている点です。小学校低学年や漢字の苦手な外国人にも読みやすくなっています。
また、文章の行の間隔も比較的広く取られており、読んでいる最中に別の行の文字と混ざってしまう読み飛ばしや目の疲れを防ぐことに役立っています。

さらに、色の区別が苦手な方にも配慮して「カラーユニバーサルデザイン認証」を取得していることも特長です。

イメージ画像:図書館で読書をする外国のこども

『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』は3巻セット。3巻の「学校と町」には、教室・図書館・お店で発見できるユニバーサルデザインが紹介されています。

・“軽くて背負いやすい”ランドセル
・“音や光をさえぎってくれる”カームダウン・クールダウンスペース
・“だれもがくつろげる”カフェ

など、障害があってもなくても使いやすいものが、利用した人の声と一緒に掲載されています。

イメージ画像:ランドセルを背負って公園を歩いている兄弟

図書館で使うコーナーには“読むことを助けてくれる”マルチメディアデイジーが登場。マルチメディアデイジーとは、文字を読むのが苦手な人に向けて、画面と音声で内容を届けるシステムです。文字がゆがんで見える子ども、漢字が苦手な外国人、ロービジョンの方など、さまざまな人の読書を助けてくれます。

ノートパソコンでマルチメディアデイジーを使っているゆうこさん

1819ページで紹介されている「マルチメディアデイジー」は、ブライトが取材協力しています。18ページの左上に掲載されているQRコードから、マルチメディアデイジーのデモ版を聞くことも可能です。

●マルチメディアデイジーを使った動画(YouTubeリンク)

 

◆なぜブライトが、図鑑に掲載されたの?

マルチメディアデイジーを制作している会社や団体は複数あり、ブライトを図鑑に掲載していただくことに少し不安がありました。しかし、主に3つのポイントで評価いただき、喜んで協力することに決めたのです。


  • ●ポイント1:情報アクセシビリティ分野で、業界をリードしている
  • ●ポイント2:マルチメディアデイジーの制作時、障害当事者の声を反映させている
  • ●ポイント3:アクセシビリティ教材の実績が豊富である

ブライトの情報アクセシビリティの取り組みは、2004年江戸川区バリアフリーマップを障害当事者や行政と協働で制作したのが原点です(ブライト前身の印刷会社にて制作)。

当時、製品や建築分野ではユニバーサルデザインの考え方が進む中、「情報分野」は遅れており、“必要な情報が障害当事者に届かない”という大きな課題がありました。
そこで、
・色弱の人でも見分けやすい色にしてほしい
・地図にも全ページに音声コードを付けてほしい
・検索しやすく、読み上げ機能があるマップWEB版も作ってほしい

など、障害当事者からの要望を反映したマップを全国に先駆けて制作したのです。
内部リンク:「情報アクセシビリティセミナー」で発表しました| 株式会社ブライト

イメージ画像:車いす、補聴器、つえのピクト

その後はさらに、
・視覚障害者向け:点字、大活字、触地図、音声コード、読み上げ対応WEBサイト
・聴覚障害者向け:コミュニケーションボード、手話動画
・外国人向け:やさしい日本語ツール、多言語ツール
などの情報アクセシビリティツールを推進し、より多くの人により適切に情報が届くよう取り組んでいます。
内部リンク:日本の視覚障害者は164万人、どうやって文字を読んでいるの?|株式会社ブライト

図鑑のインタビューで小川がコメントしているように、障害のある子どもの保護者から「絵と音声が一緒に確認できると学びやすい」と聞いたことがきっかけで、マルチメディアデイジーの制作をスタート。しかし、マルチメディアデイジー制作の途中では、教えたい人と学びたい人のギャップが生まれることがあります。

写真左:制作者のブライト・小川、写真右:利用者のゆうこさん

教えたい人が「文章量を多くしても学んでくれるだろう」と考えていても、
学ぶ側は「難しくて理解ができない」「学ぶ時間が取れない」という人がいるからです。

そのため、ブライトは双方の意見を聞き取って、文章を短く書き直したり、イラストや図を用いたりして学びやすい構造に変えて、ギャップの解消に取り組んでいます。
また、ツールを制作して終わりではなく、サピエ図書館での配布など障害当事者にとって必要な知識・情報が伝わるよう普及啓発のサポートまで実施しています。

◆教材をアクセシビリティ対応するには?

全ての読者が年齢や身体的制約、利用環境などに制限されることなく、自由に情報を得ることができるようにすることをアクセシビリティ対応と言います。紙の教材を電子化するときは、誰にでも使いやすくなるようにアクセシビリティ対応に見直すチャンスです。
たとえば、文字を大きくする、白と黒を反転させる、1クリックで読みたい所にとぶ、といった紙の書籍ではなかなか実現できないことを、マルチメディアデイジーなどの情報ツールでは読者個人の読みやすさに合わせて設定できます。

イメージ画像:小学生が運動会でラジオ体操をしている様子

ブライトの実績のひとつに、ラジオ体操をアクセシビリティ対応したマルチメディアデイジーの教材があります。音声がメインのラジオ体操ですが、通常は目で見て覚えるケースが多いです。しかしそれでは視覚障害者がラジオ体操の動きを覚えることは非常に困難と言えるでしょう。

そこで、障害者教育の教師や当事者である障害者から得たフィードバックをもとに、ラジオ体操指導員と身体の動きを文章化しました。実際に障害者にラジオ体操を実演してもらい、より理解しやすい教材作成に取り組みました。また、利用者が自身に合った方法でラジオ体操の動きを知れるよう墨字、点字、マルチメディアデイジーと多様な教材としました。
ラジオ体操テキスト・マルチメディアデイジー版は、簡易保険加入者協会のWEBサイトからダウンロードできる他、サピエ図書館や国会図書館で視聴することが可能です。

さらに今後は、特別支援学校への配布や誰でも参加できる講習会での利用など更なる展開も期待できます。

●障害当事者と一緒作ったラジオ体操の点字本、マルチメディアデイジー

 

イメージ画像:サッカーの試合の様子

他にも、アンチ・ドーピングルールや日常の注意事項についての教材を、視覚障害を持つアスリートに向けて作成しました。音声機能や目次機能を強化したため、視覚障害者の他にも、知的障害や学習障害のあるアスリートにも有効です。サピエ図書館でマルチメディアデイジーの教材を配布したところ、ブラインドサッカーの選手から「8割くらいは自力で理解できた」と高い評価を得ることができました。

●ブラインドサッカー選手が自力で8割理解できるドーピング防止教材

 

※教材アクセシビリティをご検討の方は、問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください

>>>『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』にマルチメディアデイジーが掲載:パート1もぜひご覧ください

 

ブライトでは様々な利用が想定される人や専門家の意見を重視し、教材作成の途中にも実際の使用感などをもとに調整を繰り返すことでより多くの人にとって使いやすい教材作成を心がけています。
このような姿勢や実績が評価され、ユニバーサルデザイン教材の代表として「マルチメディアデイジー」の掲載に至ったのです。