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ユニバーサルデザイン
2026.05.07 木
『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』にマルチメディアデイジーが掲載:パート1
ブライトが制作した「マルチメディアデイジー」が、ポプラ社の学習図鑑『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』に掲載されました。
数ある制作会社の中でブライトが選ばれた理由は、「マルチメディアデイジー」の制作前や途中に障害当事者へヒアリングし、要望を反映していくシステムが高く評価されたからです。
この記事では、マルチメディアデイジーとは何か、図鑑に掲載されるまでのお話とともにご紹介します。
◆『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』ポプラ社
ポプラ社の『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』は、身近なところに隠れた「使いやすさの秘密」を教えてくれる学習図鑑。全国の図書館で読むことができ、Amazonなどで購入も可能です。

「ユニバーサルデザイン」とは、年齢や性別、言語、個人の能力などの違いにかかわらず、すべての人にとって使いやすいよう考えられたデザインのことです。『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』では、学校やスーパーマーケットなどの身近な場所や、毎日使う道具やおもちゃなどに隠れたユニバーサルデザインを、たくさんの写真やインタビューで知ることができます。

この図鑑には、身の回りの製品やツールの工夫がよく分かる、4つのポイントがあります。
●ポイント1:どのような人がどのようなことに困っているのか、15個のマークで示している。
●ポイント2:それぞれのユニバーサルデザインの工夫を、拡大写真で見ることができる。
●ポイント3:開発者や企業担当者へのインタビューで、製品が生まれたきっかけや込められた思いが分かる。
●ポイント4:利用者インタビューでは、実際の使い心地や利用による暮らしの変化なども分かる。

さらに、図鑑そのものも「カラーユニバーサルデザイン」に対応しています。特定の色が見えにくい人、色の見分けが難しい人にも読みやすい色が使われています。
※参考:ユニバーサルデザインの考え方 | 株式会社ブライト
『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』は、全部で3冊です。ブライトの制作したマルチメディアデイジーは、「第3巻:学校と町 教室・図書館・お店など」に掲載されました。
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◆マルチメディアデイジーとは?
マルチメディアデイジーとは、パソコンやタブレットを使って読める「電子書籍」と、音声で文章を聞ける「オーディオブック」の2つを組み合わせたようなツールです。画面に表示された絵や写真を見ながら、表示されている文章を音声で聞くことができます。
さらにマルチメディアデイジーには、次のような「使いやすさの工夫」がされています。
- ●読み上げている部分の色が変わる(ハイライト機能)ため、どこを読んでいるのか分かりやすい。
- ●1人ひとりの読みやすさに合わせて、文字の大きさや色、背景の色、読み上げのスピードを調節できる。
- ●目次をクリックすると、読みたい部分までジャンプできる。
マルチメディアデイジーを使うと、個人の能力や言語の違いによって文章を読むことが苦手な方にも、読書を楽しんでもらえるのです。

読むことが苦手な方にとって、「読む」という行動は負担がかかるものです。読むことそのものに一生懸命にならなければならないため、内容を理解したり味わったりする余裕がなくなってしまうこともあります。
マルチメディアデイジーは、読むことが苦手な方の負担を減らしてくれるツール。例えば、次のような特性をもつ方々の役に立ちます。
- ●発達障害・読字障害によって読むことが苦手な方
●視覚障害のある方
●視力が落ちて文字が読みにくくなった方
●手や指の細かい動きが難しい方 など
マルチメディアデイジーは「視覚障害がある方のためのツール」だと思われていることも多いです。しかし本来は、より多くの方の役に立てるツールとして開発されています。

さらに、マルチメディアデイジーは日本語が苦手な外国の方にも便利です。
令和6年には「教科書バリアフリー法」の改正によって、外国人の児童・生徒もマルチメディアデイジー教科書を使えるようになりました。
内部リンク:目と耳で読書を楽しむ「マルチメディアデイジー」 | 株式会社ブライト
| マルチメディアデイジーとは? マルチメディアデイジーの「デイジー(DAISY)」は、英語の「Digital Accessible Information SYstem」の頭文字をとった略称です。日本語では「アクセシブルな情報システム」と訳されています。印刷物を読むことが難しい方にとって、利用しやすい電子書籍の国際標準規格です。 |
◆ブライトが掲載されるまで
『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』の掲載に際して、ブライト・小川と利用者のゆうこさんがインタビューを受けました。

写真左:制作者のブライト・小川、写真右:利用者のゆうこさん
小川は、ユニバーサルデザインの製品やサービスは増えてきたものの、「情報を分かりやすく伝える」という方向性のユニバーサルデザインが少ないと感じていました。みんなに分かりやすく情報を伝える方法の1つとして、マルチメディアデイジーの制作を始めたのです。
ブライトでは、企画やデザインの段階から実際に困りごとを抱えている方の話を聞くことにしています。小川がマルチメディアデイジーを制作する際も、読むことが苦手な方や専門家と直接やりとりをして、意見をしっかり取り入れるシステムを構築しています。

ロービジョンの特性を持つゆうこさんは、マルチメディアデイジーの利用者。障害当事者として、ブライトが作る情報ツールにアドバイスをいただく頼りになる存在です。
※ ロービジョン:眼鏡やコンタクトレンズで視力の矯正ができない、視野が狭い、色のコントラストが分かりにくいなどの見えにくさがあるため、日常生活で何らかの支障をきたしている状態
小学生のころから、読み聞かせの時間が大好きだったゆうこさん。図書館もよく利用していますが、自分に読める文字の大きさの本がなくて読みたい本を諦めたこともあったそうです。
マルチメディアデイジーについて、ゆうこさんは「画面の色を白黒反転するなどカスタマイズができる」「音声のスピードや文字の大きさなどショートカットキーが割り当てられていて使いやすい」など、利用したからこそ分かるポイントを話していただきました。
◆ブライトの掲載ページのポイントは?
ブライトの制作したマルチメディアデイジーは、『インタビューで発見!ユニバーサルデザイン図鑑100』第3巻:学校と町の18・19ページに掲載されています。

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- ●文字を読むのが苦手な人の読書を助けてくれる
●自分が見やすい色や、漢字にふりがなを付けるなどカスタマイズできる
●自動で音声が流れるが、スピードもコントールできる -
などのポイントが分かりやすく説明されているので、ぜひご一読ください。
なお、18ページの左上には、QRコードがついています。このQRコードをスマホで読み取ると、実際のマルチメディアデイジーを使った動画を見ることができるので、ぜひ体験してみてください。
| ●マルチメディアデイジーを使った動画(YouTubeリンク) |
※ゆうこさんは、ブライトのブログでロービジョンの当事者連載をしています。ぜひこちらもご覧になってみてください!
【当事者連載】ようこそ、ロービジョンの世界へ ~第1回 ロービジョンって?情報へのアクセスあれこれ~
【当事者連載】ようこそ、ロービジョンの世界へ ~第2回 ロービジョン夫婦のスペイン旅~
【当事者連載】ようこそ、ロービジョンの世界へ ~第3回 旅先での自動化悲喜交交~
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