【UD道場その1】ゴシック体と明朝体、どちらを使えばいい?
こんにちは、ブライトの南條です。突然はじまったUD(ユニバーサルデザイン)道場。ここでは「情報のユニバーサルデザインを通じ、安全安心な暮らしに貢献すること」をめざすブライトが、多くの方に正しく情報を届けるためのポイントを届けていこうと思います。
記念すべき第1回は“フォント”について。
ゴシック体と明朝体って?
よく、「どのフォントを使えば読みやすいのか」とお客様に聞かれることがあります。情報を伝える上で、文字はとても重要な要素です。
ただ、その情報を伝える上で、フォントの数は山ほどあり、どれを使えばいいか迷うこともしばしば。それではどのようにフォントを選んでいけばいいでしょうか。
まず、フォントには大きく分けて「ゴシック体」と「明朝体」があります(正確には他にもありますが…)。そのふたつの違いをざっくり言うと、「文字の幅が均一かどうか」。
ではどちらを使えばいいのか、というと、それは伝える媒体や内容などによって変わっていきます。
長文を読ませるなら「明朝体」
縦書きの小説を読むとき、論文を読むときをイメージしてください。その文章は明朝体で書かれていることがほとんどだと思います。
明朝体は線がほっそりとしているため、長い文章に使っても読みやすく、疲れを感じさせない、という特徴があります。太い文字が長文で並ぶと紙面が黒々してしまい、目にも大きな負担がかかるためです。
上記の理由により、長文の際は明朝体の中でも細めの書体を選ぶと良いでしょう。
また、ゴシック体と比べて落ち着いた雰囲気を与えられるため、高級感やリラックスした印象を演出する際にも適しています。
タイトルや誘導サインなど、活用の幅が広い「ゴシック体」
一方、ゴシック体は「視認性」の高いフォントです。文字を「読む」より「見る」意味合いが強いときに効果を発揮します。
視認性の強いゴシック体は、例えば、以下の場合の使用に適しています。
・遠くから文字を読むことが想定されるもの:交通標識、公共機関の誘導サインなど
・小さな文字を読む必要があるもの:金融・保険の約款、食品の成分表示など
・短めの文章:パワーポイントのスライドやタイトル・見出し
ブライトでの誘導サイン制作事例
また、パソコンやスマホなどの画面上では、解像度によって明朝体は読みにくくなりがちのため、webサイトの本文にはゴシック体が活用されることが多いです。
更には「ユニバーサルデザインフォント」という読みやすさ、判別しやすさにより配慮されたフォントも開発されていますが、このフォントについてはまたの機会に…
投稿者:南條 岳 株式会社ブライト 企画課課長 ユニバーサルデザインコーディネーター。 埼玉に生まれ、東京、大阪、福岡、京都、神奈川などで幼少期を過ごす。子ども写真スタジオでのカメラマンを経て2013年ブライトへ入社。外部でライター、イラストレーターとしても活動し、「わかりやすい編集」を得意とする。『高校生クイズ』が好き。 |
<まとめ>
・フォントには「明朝体」と「ゴシック体」がある。
・明朝体は読み疲れしにくく、長文に強い。
・ゴシック体は視認性が高く、誤読を防ぎたい場面などに強い。