聴覚障害者は、どのようにして映像から情報を得ているの?
TikTokのようなSNSの発展やNetflix、U-NEXTといった有料動画配信サービスなど、今までテレビだけだった映像の文化が格段に広がっています。私もついつい寝転がってYouTubeを見てしまいます。
イヤホンを持っていない状況で無音で動画を見るような機会もあると思いますが、そのときに疑問を感じませんか?
“音がきこえない、きこえにくい聴覚障害者は、どのようにして映像から情報を得ている?”
今回は、聴覚障害者に映像で情報を伝えるときにはどんな手段があるのか、という話です。
▼字幕は大切。でもそれだけではありません
音声以外で情報を伝える手段は大きく分けて2つあります。1つは「字幕」、そしてもう1つは「手話」です。
1.動画に字幕をつける
動画に字幕を入れる、というのはひとつの有効な手段です。
聴覚障害者のみに限らず、例えば冒頭で伝えたようなイヤホンを持っていない環境、社内など音を出せない状況でも理解することができ、様々な方にとって有益な手段になります。現在ではテレビ番組や映画、CMでも字幕が取り入れられているものもあります。
重要な音(ドアの開閉音、音楽、爆発音など)も説明文で表現されることが多く、聴覚に依存せずに内容を理解できるようになっています。
また、例えばYouTubeでは「字幕」ON/OFFの切り替えができ、音声を自動で取得し字幕として表示する機能があります。これにより、動画自体に字幕がない場合でも、文字で情報を得ることができます。
とはいえ音声からの自動取得。精度にはまだまだ改善の余地があるため、確実に情報を届けたい、ということであれば動画自体に字幕をつけることをおすすめします。
2.手話動画
もうひとつは手話動画の用意です。
「字幕があれば充分では?」と捉えてしまいがちですが、手話を第一言語とする方々は文字での情報取得を苦手とすることも多いです(日本語を第一言語とする人が、他の言語でのコミュニケーションに苦戦するようなものです。私も日本語以外は自信ないです)。
手話の普及が進むことで、聴覚障害者の情報アクセスや社会参加が改善されつつあります。手話は重要なコミュニケーション手段であるだけでなく、社会全体における多様な言語文化の一部でもあります。
また登場人物の表情や身振り(ボディランゲージ)、視覚的な状況変化などからも多くの情報を得ます。登場人物の感情や関係性、状況の展開を理解するのに役立ちます。
その他にも近年では技術の進歩により、スマートデバイスや特殊な装置を利用して、音に応じた振動を提供する技術も開発されています。視覚と触覚の両方を使って内容をより深く理解することが可能になりました。映画館の4DX体験もそのひとつですね。
これらの手段を組み合わせることで、聴覚障害者も映像から豊かで多くの情報を得ることができます。映画、テレビ、オンラインコンテンツなどでこれらのアクセシビリティ技術が広く導入されることにより、情報へのアクセスが改善されています。
聴覚障害者に映像で情報を伝える手段は主に下記の通り
・字幕
・手話(ボディランゲージ)
その他視覚的なヒントや触覚なども重要なヒントとなる