コンビニの指差しボード、広まっています
コンビニ各社で耳の不自由な方に向けた「指差しシート」の活用が広まっています。
先駆けとなったのは大手チェーンのローソン。
昨年(2022年)の8月から聴覚障害者の買い物をサポートするため、全店舗のレジカウンターに「指差しシート」が、今年3月からはより詳細を補足できる「コミュニケーションボード」が設置されました。
(いずれもローソン公式webサイトより)
きっかけは新型コロナウイルスの蔓延
そのきっかけは新型コロナウイルスの蔓延でした。聴覚に障害がある人の多くは、口の動きを見て、相手の言葉を読み取っています。
コロナ禍ではマスクを着用しているために口の動きが把握できず、「お弁当は温めますか?」などコンビニの店員に話しかけられていることにすら気付けなくなりコミュニケーションに難しさを感じていたそうです。
こうしたローソンの動きを追うように、ファミリーマートでも同年11月より東京都、神奈川県、愛知県など14都府県から順次設置を開始し、全国の店舗へ設置を拡大しています(私の住んでいる広島でも導入されているのを見かけました!)。
(ファミリーマート公式サイトより)
また、2022年11月、ローソンはWeb上で指差しシート、コミュニケーションボードの無料データを公開しました。
設置後に自治体などから、データを提供してほしい、コンビニ以外の商店でも導入したい、という声があがったことから誰でもダウンロードして印刷できるようになりました。
交通業界でも広がる指差しボード
このような指差しボードは小売業界の他、公共交通機関でも広がりを見せています。
空港手荷物検査用 コミュニケーション支援ボード / 成田国際空港
※上記2案件は弊社が制作に携わらせていただきました
ピクトグラムを多く用いたボードはコミュニケーションの支援として、聴覚障害の方に限らず日本語が不自由な外国人対応にも有用ですね。
投稿者:南條 岳 株式会社ブライト 企画課課長 ユニバーサルデザインコーディネーター埼玉に生まれ、東京、大阪、福岡、京都、神奈川などで幼少期を過ごす。子ども写真スタジオでのカメラマンを経て2012年ブライトへ入社。外部でライター、イラストレーターとしても活動し、「わかりやすい編集」を得意とする。『高校生クイズ』が好き。 |
日本では高齢化社会によりさらにシニア層が増え、訪日客も増加の一途を辿っています。
このような「コミュニケーションの入り口」となるツールがより広まっていくと多くの方がより住みよい町になる、と感じました。