SDGsの取り組み 2021年11月17日

SDGsへの取り組み「見える人、見えない人、みんなで作るカレンダー」

「点字カレンダー」と聞くと、どのようなものをイメージしますか?
無地の白い紙に点字が施されていたり、日にちと曜日だけが羅列されていたり。「目が見えない人のためのもの」というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか?

 

ブライトではSDGs推進の一環として、視覚障害者支援総合センター様の協力のもと、2014年から点字カレンダーを制作しています。

SDGsアイコン

目が見える人、見えない人、誰もが使えるカレンダーが、「どのようにして」「どのようなコンセプトで」つくられているのか、紹介していきます。

 

目が見える人、見えない人がみんなで使えるカレンダー

SDGsアイコン3すべての人に健康と福祉を

「日本の魅力を再確認するシリーズ」と題し、日本が誇るものをテーマにつくられたユニバーサルカレンダー。

これまで、「日本の食べ物」「日本の玩具」「日本の植物」などにフォーカスしてきましたが、シリーズ5年目である今年のテーマは、「日本の動物」です。

 

画像:点字カレンダー表紙

 

日本の希少な動物たちを「点図」で表現し、デザインにもこだわっています。目が見える人、見えない人がみんなでつかえる逸品です。

 

見ても、触っても楽しいデザイン

 

SDGsアイコン8働きがいも経済成長も

 

点字の教科書で使われている印刷技法を使っており、見ても触っても楽しいカレンダー。左側には点字と墨字でカレンダーを、右側には日本の動物を点図で描いています。

2月にはニホンカモシカ、8月にはイリオモテヤマネコなどが登場。指でなぞってみると、聞き慣れない動物たちの輪郭が浮かび上がります。

 

画像:点字カレンダー8月

 

ナチュラルな雰囲気が素敵なデザインは、無印良品のUD識別ラベルを手掛けた小山裕介さんと白鳥裕之さんのデザインユニット「torinoko」が手掛けました。

そして、就労継続支援B型施設「チャレンジ」で働く視覚障害者の方たちが一枚一枚印刷し、組み立てています。

こうして、見える人、見えない人が一緒につくり、みんなが使えるカレンダーが生まれました。

 

昨年版点字カレンダーの詳細は、「SDGs取り組み事例:視覚障害者と一緒に作った点字カレンダー」をご覧ください。

 

 

環境にも配慮した素材

 

SDGsアイコン12つくる責任 つかう責任SDGsアイコン15陸の豊かさも守ろう

 

金具やプラスチックが使用されがちなカレンダーの綴じ具。この点字カレンダーは、綴じ具ごとリサイクルできる紙製のリングを採用しました。金具やプラスチックを取り外すひと手間もなくなり、一石二鳥。

紙製でつくられた白色のリングが、ナチュラルなデザインのアクセントとなっています。

 

画像:点字カレンダー金具

 

そのほか、カレンダーのインキは、ベジタブルオイルインキを使用しています。ベジタブルオイルインキとは、植物油(亜麻仁油や大豆油など)や、廃食油(使用した天ぷら油)の再生油を使用したインキのことです。

大気汚染の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の排出が少なく、環境負荷を低減。細部へのこだわりが、SDGsの目標に大きく貢献しています。

 

ブライトの取り組み事例

ブライトでは、お世話になった方々への年末のごあいさつとして、点字カレンダーをお贈りしています。障害者施設でつくられた商材を購入し、障害がある方の就労を応援、商材の普及にも努めています。

 

画像:バナナペーパーを使ったフライヤー

 

また、同封するフライヤーには「バナナペーパー」を使用。

バナナの茎の繊維が混じった質感や、ザラっとした手ざわりは、何気ない添え状にちょっとした特別感をプラスしてくれます。

 

画像:バナナペーパーノート

ブライトではフライヤー以外にも、封筒やオリジナルノート、名刺などでバナナペーパーを取り入れています。

 

バナナペーパーの詳しい事例は「地球環境に配慮した「エシカルペーパー」、ブライトで試してみました」をご覧ください。

 

番外編:バナナペーパーは17あるSDGs目標の何個に貢献している?

 

★問題

みなさんが普段、学校やオフィスで使っているコピー用紙は、何が原料かご存知ですか?

イメージ画像:コピー機

 

★正解

コピー用紙など多くの紙は、木材が原料です。そのため、森林減少や森に住む動物たちの生態系に影響を及ぼす可能性も。

その点、バナナペーパーはバナナの茎の繊維を使用するため、森林伐採の防止や動物の保護につながっているのです。

 

イメージ画像:森林の木漏れ日

 

それだけではありません。アフリカの最貧困層の人たちの雇用を生み出しているほか、工場では朝食やランチ、安全な水を無料で提供。バナナペーパーは、SDGs17目標のすべてにつながっているのです。

 

バナナペーパーのサンプルをご希望の場合は、お問い合わせフォームからお申し込みください。

 

 

画像:投稿者白石さんの顔写真 投稿者:白石果林
法政大学 現代福祉学部卒業。学校法人・一般企業にて8年間勤務したのち、フリーランスライターとして独立。福祉、働き方、事業承継などの分野で取材・執筆を行う。
ここがUD

この点字カレンダーは、「見えない人が使うもの」という固定観念が払拭される逸品。誰もが使えるデザイン、そして環境に配慮したインクや綴じ具など、SDGsの目標に大きく貢献しています。

「SDGsに興味があるけれど、何から始めていいか分からない」と考える人は多いかもしれません。そんなときは、「点字カレンダー」や「バナナペーパー」といった、身の回りの小さなモノに手を伸ばしてみるのもひとつです。