障害について知る 2021年6月16日

『あまねく届け!光~見えない・見えにくいあなたに贈る31のメッセージ~』出版!

「見えない・見えにくい人は仕事の選択肢が限られる」「失明したら離職するのはやむを得ない」そんな固定概念を持っている人は多いのではないでしょうか。
今回は、困難にぶつかりながらも生き生きと働き続ける、視覚障害者のリアルな思いが詰まった本『あまねく届け!光~見えない・見えにくいあなたに贈る31のメッセージ~』をご紹介します。

この書籍は見えない・見えにくい人以外にも様々な方へおすすめです。

・視覚障害者の採用を検討しているが、どうすればいいかわからない
・視覚障害者に対して自分に何ができるか知りたい!
・視覚障害者当事者であり、他の人がどのように就労しているか知りたい


1 知ろう!働き続ける見えない・見えにくい人のリアルな声

画像:『あまねく届け!光~見えない・見えにくいあなたに贈る31のメッセージ~』の表紙

 

『あまねく届け!光~見えない・見えにくいあなたに贈る31のメッセージ~』は、視覚障害者就労相談人材バンクメンバーが「就労にまつわる経験・思い」を綴った手記です。就職や就労継続に悩んでいる目の不自由な人に限らず、そのご家族・企業担当者・関連機関の人たちの一助となることを目標に作られました。

新型コロナウイルスの影響で、人材バンクでの対面相談が制限されている今、1人でも多くの人に「視覚障害者の就労経験を伝えたい」という思いからスタートしたプロジェクトです。

A5版(横書き)で、400ページと大ボリュームですが、直接語りかけられているかのような文章で、スラスラと読み進められる1冊となっています。

2 障害者雇用の現状

2021年3月に障害者の法定雇用率が引き上げられました。とはいえ、障害者の受け入れはいまだ不十分な状態です。

障害者の雇用率が伸び悩んでいる要因の一つとして「障害者に仕事ができるのか」「通勤が難しいのではないか」などと思い込まれていることが挙げられます。筆者も「視覚障害のある人ができること」の認識は、本書を読むまで曖昧なものでした。

 

画像:本文4-5ページ 目次

 

しかし、本書を読み進めると、見えない・見えにくい人たちが歩行訓練やスキル習得に励み、生き生きと働いている姿が見えてきました。

晴眼者(視覚に障害のない人)と対等に働くために難関資格を取得したり、子どもたちに希望を与えるために教師として勤務したり。多くの人がそれぞれの思いを胸に人一倍の努力をし、実現していることを知りました。

 

イメージ画像:白杖で歩く女性

 

一方で、視覚障害を理由に就職活動がうまくいかなかったという苦悩も記されています。原因の一つとして、「受け入れ態勢が不十分」「依頼できる業務が分からない」という、周囲の理解不足があるように見受けられます。

 

私たちは、まず知ることから始める必要があるのかもしれません。

見えない・見えにくくても、ソフト面(周りの人たちからのサポート)とハード面(視覚支援機器の導入)が整えば、晴眼者と共に働ける人が多いということ。

そして「目の不自由な人ができること・できないこと」「どういったサポートが必要か」について理解することが、互いに働きやすい環境づくりへとつながるということ。

具体的に、目の不自由な人たちがどのような支援を得て働いているのか、内容の一部をご紹介しましょう。

画像:本文16-17ページ 佐次和美さん「奮闘の就活から20年、見えにくさに価値を見出して」

 

民間企業で20年間働いている佐次和美さんは、「拡大読書器」や「スクリーンリーダー」を使いこなし、手元の資料確認やパソコン業務にあたります。

拡大読書器は、カメラで写した場所を拡大したり、白黒反転させたりしてモニターに映し出すためのツール。スクリーンリーダーは、パソコン上の表示内容を音声化することで、パソコン操作を補助するソフトウェアです。

イメージ画像:パソコンを操作する女性

 

佐次さんのビジネスマインドのベースは、入社時に先輩から教えられた「見えにくいことでできないことは、どう工夫したらできるか考えろ」というメッセージだそう。

最近では「見えにくさ」を活かしたアクセシブルデザイン(共用品)の取組み推進に参加するなど、日々新たな挑戦に奮闘しています。

3 見えにくい人と一緒に働くためのヒント

本書には、目の不自由な人と一緒に働くためのヒントとなるコラム(一燈照偶)が掲載されています。内容を一部ご紹介しましょう。

 

画像:本文265ページ 職場でスムーズに情報共有するためのコラム

 

最近では、スマホやパソコン画面のスクリーンショットによる情報共有が増えています。しかし、写真や画像データは「音声読み上げ機能」には対応しておらず、目の不自由な人は内容を確認できない場合も。スマホで連絡を取る際の、LINEスタンプも同様です。

 

イメージ画像:スマホでLINEを操作している手元

 

情報を共有するときは、Wordファイルのようなテキストデータを、LINEであれば「了解です」の一言を添えるだけで、見えにくさの壁を乗り越えられるということが分かります。

4 テキストデータ引換券を活用しよう

画像:本文400ページ テキストデータ引換券

 

出版元である読書日和では、一人でも多くの人に本書を読んでもらえるよう、視覚障害その他の理由で書籍が読めない人のために、音声読み上げソフトで聞くことができる、テキストデータを提供しています。

書籍とテキストデータの注文方法

■書籍を注文したい方
1)Amazonでの注文 (https://t.co/UkzomMGVN2)
2)電話注文:053-543-9815

3)メールでの注文:dam7630@yahoo.co.jp

■テキストデータを注文したい方
1)本の最後のページにある「宛名ラベル」と「テキストデータ引換券」をキリトリ線で切り取る
2)「テキストデータ引換券」に名前とメールアドレスを記入する
3)封筒に「宛名ラベル」と切手を貼り、「テキストデータ引換券」を入れて郵送する
※引換券の郵送が難しい場合は、電話(053-543-9815)かメール(dam7630@yahoo.co.jp)で連絡してください。

 

画像:投稿者白石さんの顔写真 投稿者:白石果林
法政大学 現代福祉学部卒業。学校法人・一般企業にて8年間勤務したのち、フリーランスライターとして独立。福祉、資産運用、不動産、健康、エンタメなど、幅広い分野で取材・執筆を行う。
ここがUD

『あまねく届け!光~見えない・見えにくいあなたに贈る31のメッセージ~』は、目の不自由な人に限らず、一緒に働く人や企業担当者にとっても、多くの気付きを与えてくれる1冊です。
見えない・見えにくい人のリアルな思いを知ることで、日常生活においての小さな配慮が生まれるのではないでしょうか。多くの人の「小さな配慮」が集まって、みんなが自分らしく働けるようになったら素敵です。