高齢者3つの特性:他人事に興味を持てない、一度に多くの処理は難しい、もう一つは?
「高齢者向けの冊子を作る際、何に気を付ければよいの?」「刊行物を作ったけど配布先がない」など多くの相談がブライトに寄せられています。そこで、高齢者の特性に合った効果的な冊子の作り方をご紹介します。
■思い込みチェック
高齢者向けの冊子を作るとき、合っているものに〇、違うものに×を付けてください。
1 | 文字サイズを大きくする | |
2 | 色使いを見やすくする | |
3 | 高齢者から直接意見を聞く必要はない | |
4 | 参考になる情報は多く伝えた方が良い | |
5 | 高齢者は聞いた情報を鵜呑みにしやすい |
答えは、次の「主な特性」をご覧ください。
●高齢者の主な特性
ブライトでは、ユニバーサルデザイン(年齢や身体的特性、障害の有無にかかわりなく、多くの人々が利用しやすいデザイン)のノウハウが豊富です。大切なのは、冊子を読む人、使う人の声を取り入れること。
高齢者モニター調査を通じて、多くの方々から貴重なご意見をいただいています。その中でも、特に多い意見は以下の3点です。
(1)他人事には興味を持てない
(2)一度に多くの処理をすることが難しい
(3)信用できる情報なのかを大事にする
●特性1:他人事には興味を持てない
冊子の文字を大きくしたり、色使いを見やすくすることは必要ですが、それだけでは高齢者の方々が興味を持ちません。
「後期高齢者医療制度へ移行します」という伝え方は自分には関係ないと思われがちです。
「75歳以上の方は新しい保険証になります」などに変換することが必要なのです。
・「自分の生活に関係する」と感じてもらう伝え方
・伝える側の思い込みを防ぐため、高齢者に直接意見を伺う
ことが大切です。
●特性2:一度に多くの処理をすることが難しい
情報を伝える側は、有意義な情報だからと多くの情報を伝えがちです。
ところが受け取る側は、情報が多すぎると理解するのを諦めてしまうことが多くあるのです。
・余白やイラストでメリハリを付け、導入は易しい内容で離脱を防ぐ
・一度に多く伝えるのではなく、絞った情報を繰り返し伝える
などの配慮が必要とされています。
●特性3:信用できる情報なのかを大事にする
高齢の方に冊子を読んでもらうと「これは国の制度なの?」「そもそもこの発行者はどんな団体なの?」など情報の出所を気にする方が多くいます。
情報を鵜呑みにしないで、正しく必要な情報をインプットするという方が多いためです。
・発行者の名前や、公的な取組なのかを明確にする
・役所や消費者センターなど公的機関から配布する
など、制作趣旨や、配布方法を工夫することが大切です。
◆事例1:老後のお金に関する教材
全国銀行協会では、人生100年時代の到来に備えて、老後に向けた資金計画や資産運用、資産管理等の金融リテラシーを身につける教材を提供。ブライトでは、企画、編集、第三者認証、全国老人クラブ連合会等への配布まで、トータルでサポートしました。
★ここがポイント!
高齢者が知りたい目線でのQ&A形式は、自分事となり興味を持ちます。
導入部分は、イラストや図解で易しい印象だと読み進める効果があります。
★ここがポイント!
教材の制作途中で、高齢者モニター調査を実施。「参考価格があると記入しやすい」「贈与税など国の制度が知りたい」などの意見を反映。分かりやすさの第三者認証も信用度が向上します。
◆事例2:高齢ドライバー向け動画・チラシ
日本損害保険協会では、高齢ドライバーの交通事故防止のため、高齢者に多い事故パターンとその予防策についての動画・チラシを制作。ブライトでは、高齢者モニター調査での意見を取り入れながら、企画から制作までサポートしました。
★ここがポイント!
高齢者に動画を見ていただくと「上から目線で注意されるのは気分が悪い」との声が多く上がったため、高齢ドライバーがお手本となるストーリーに変更。
★ここがポイント!
講習会では同じ内容のチラシも活用。映像、チラシなど繰り返し目に触れることで理解が促進されます。監修:警察庁交通局、と明記されているのも信用度が担保されます。
今後、高齢者向けの刊行物を企画・制作される方は、お気軽にお問合せください。
電話:03-5259-8833
メール:info●bright3.jp(●記号を@に置き換えてください)
【思い込みチェック答え合わせ】
1)文字サイズを大きくする:○
2)色使いを見やすくする:○
※ただし文章表現にも工夫が必要
3)高齢者から直接意見を聞く必要はない:×
4)参考になる情報は多く伝えた方が良い:×
5)高齢者は聞いた情報を鵜呑みにしやすい:×